あと340日!転塾と下剋上受験
娘は今、とある塾の小規模教室に通いながら日々中学受験を目指し勉強している。
4年生までは別の大手受験塾に通っていたが、嫌がる娘と心配する嫁を私が説得して転塾させたのだ。
転塾は大成功だった。
娘のやる気と成績が大幅に伸び、精神的な落ち着きも増した。以前は勉強をしながら泣き出したり、投げ出すような態度をとることもあったが、それも無くなった。
もちろん私と妻の塾へよせる信頼は、以前の塾とはくらべようもない。
そんな転塾のきっかけをくれたのが、「下剋上受験」だ。
下剋上受験を読まなければ娘を転塾させようともせず、そのまま成績も伸びずに受験を終えていたかもしれない。
そう思うと著者の桜井信一氏には感謝してもしたりないと思っている。だからここで宣伝しておこうと思う(笑)
娘の勉強に積極的に関わって見えてきたもの
私が下剋上受験を手に取ったのは1年半ほど前のことだ。娘はまだ小4で、大手の中学受験塾に通い始めて半年ほどすぎた頃だった。
毎日まじめに勉強しているのに成績はいつまでたっても中位をうろうろするばかり。私たち親の方に少しずつ焦りが生まれはじめていた。
特に悩みの種だったのが算数だった。
他の教科は少しずつ成績が上向いていたのだが、その分算数とは偏差値の差が開いていくばかり。
「まじめに勉強しても成績が上がらない=うちの子は算数脳じゃない」とか「俺も嫁も文系出身だし、算数・数学は嫌いだった。娘が算数苦手なのは遺伝かも?」などと非科学的な考えが頭によぎったりもした。
そんな時に読んだ下剋上受験はわたしの心に突き刺さった。
中卒だった自分や嫁のような、日の当たらない人生を我が子には歩かせたくない。子どもの人生を変えるには今しかない!そう決意した父とその娘による、壮絶な中学受験体験記だ。
著者の言葉に100%同意できるかといえばそうではない部分ももちろんある。しかし同じ親として共感できた部分がたくさんあった。
特に共感を覚え、自分に足りなかったと反省させられたのが、父親として子どもの勉強にかかわる姿勢だ。
中学受験において親が子どもに勉強を教えるのは難しい。特に算数は下手に親が教えると逆効果、そんな考え方が主流の中で下剋上受験はその考えを真っ向から否定する。
親だからこそ子どもと一緒にとことん悩み、苦しみ、ともに乗り越えることができるのではないか?そんな考え方に激しく心を揺さぶられたのだ。
そして私も下剋上受験ほどは無理だとしても、できるかぎり娘と一緒に勉強しようと決め、仕事をできるかぎり早く切り上げて娘の勉強に付き合うようになった。
するとそれまで見えなかったものが見えてきた。
実際に娘の塾のテキストを自分で解いてみると、子どもが理解しにくい、つまずくポイントが何となく分かってくる。
そのポイントについて娘に聞くと娘もやっぱりよく分からないとのこと。
だったら塾で板書を写してきたノートを見て思い出してごらん、と言うとノートを見ても分からないというのだ。
私:なんで塾で移してきたノートを見てもわからないの?
娘:だって先生が何言っているのかさっぱりわからないんだもん
そうか、そういうことか。はじめて合点がいった。
娘は内容を理解できないまま、授業を単に聞いて黒板を写しているだけだったのだ。それでは成績が伸びるわけがない。
ではなぜ、授業内容を理解できないのだろうか?
娘の理解力が極端に低いというのなら、それは娘の問題ということになる。しかし娘の理解力は同年代の子に比べてむしろ高い方だという確信が私にはあった。
となると申し訳ないが「先生の力量不足」の可能性が高いと判断せざるを得ない。実はそう判断するにいたる伏線もあったのだ。
以前塾の保護者会に出席した時のこと。
先生に個別で相談する時間をいただいたのだが、何を相談しても「うちの塾は~」というスタンスでしか答えてもらえなかった。
先生:「うちの塾はこの地域で実績が抜群です!」 「うちの塾は去年○○中にも何名合格者を出しました!」
ずっとこういった調子なのだ。
塾の実績をアピールするだけで一向にこちらの悩みに耳を傾ける姿勢が感じられなかった。
娘の個性や学力を把握した上で、個別具体的な勉強法や指導方針について話を聞けると思っていた私は愕然としてしまった。
大丈夫かこの先生?失礼ながらそう思った。この塾にまかせておいて本当に良いのか?と不安がよぎったのだ。
しかし娘はその塾を嫌がる様子もなく通塾していた。
ようやく勉強のペースもつかめてきたころだったし、娘もこのままが良いというのだ。
結局その時は娘の意見を尊重して、私が感じた不安を覆い隠してそのまま走り続ける道を選んでしまった。
しかし娘と一緒に勉強をするようになり、娘の成績が伸び悩んでいた理由がハッキリとわかった。
なんでこの塾に今まで通わせていたんだろう。湧き上がる後悔とともに、受験塾のブランドに頼っていた自分にこの時はじめて気が付いた。
「大手塾に入れておけばとりあえず安心。自分たち(親)も苦労しないですむし、そこそこの学校には合格できるはず。」
そんな他力本願な気持ちで塾選びをしてしまっていたのだ。
そしてこのままでは決して、娘も私も納得できる結果にたどり着くことはできないと思った。
今ならまだ間に合う。動くなら今しかない!そう直感した。
現状維持のリスクと変化するリスク
あの子の可能性が一番広がる環境はどんなものだろう?どこの塾なら、娘を安心して任せられるか?
同じ過ちを犯さないよう知名度や実績は度外視して、娘が一番伸びる環境がある塾の条件を考えた。
私が出した結論は次のようなものだ。
- おとなしい娘でも授業前後に気兼ねなく質問ができる小規模教室
- 「塾の実績」ではなく「子どもの可能性」を語ってくれる先生がいる塾
- 自宅学習時に授業内容が再現しやすい教材を導入している塾
いくつもの塾に問合せたり見学に行き、ようやく見つけたのが今娘が通っている塾だった。
さっそく娘と妻に話をした。
今の塾に通い続けることの問題点や解決するには転塾するしかないということ。そして転塾先は、ほとんど実績のない少人数の塾だということをだ。
妻:今の塾でも成績は少しずつ上向いてきてるし、もし新しい塾が娘に合わなかったらそれこそリスクじゃない?
はじめ、妻はそんな不安を口にした。
その気持ちも確かに理解できる。転塾にリスクが伴う事は事実だろう。せっかく慣れてきた環境を捨てることに拒否反応を示すのも当然だ。
しかし現状維持にはもっと大きなリスクがあると思った。
中学受験はやり直しがきかない一発勝負だ。残り2年で娘がどんな成長曲線を描くのかは今この瞬間の決断にかかっている。
そう思ったとき、現状維持で行くよりも変化する方が絶対にリスクが少ないと確信した。
妻を説得し、嫌がる娘にも言い聞かせ、転塾を決断した。
今の塾にうつってすでに1年が経つ。あのタイミングで転塾を決断して良かったと心から思う。
娘も妻も同じ気持ちでいるようだ。
そしてそのきっかけをくれた下剋上受験は、誰が何と言おうと私にとっての中学受験バイブルなのである。
下剋上受験はテレビドラマにもなり、今ちょうど放送中だ。もちろん我が家では私、娘、チビ、妻の4人全員で毎週楽しく視聴している。
ただし私が、お母さん役の深キョンの入浴シーンを毎週楽しみにしているという事実は、家族には秘密なのである。
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